ほおずき市

ひきこもりおばさんのひとり言です。

浅草のほおずき市に行ってきた。

焼けるような風に風鈴の音色が幾重にも重なる。沢山の人で色が溢るが、ほおずきの露店だけは、深い緑とオレンジ色が美しい。

浴衣を着た仲良し姉妹。久しぶりに心が踊った。

障害のある次女は背丈が小学生程しかない。感覚障害もあるため、着付けも時間との勝負。二部式の浴衣を買って、娘に合わせ丈を詰めた。動き回る娘を押さえ、なんとか着せることができた。カンカン帽を被せ、履き慣れたサンダルを履かせる。お姉ちゃんを待たせていたので、慌てて出発すると、なんと浴衣の上着だけ左前になってる!電車の中では、恥ずかしくて顔をあげられなかった。次の駅で降り、着替えさせたが、電車を降りる時、矢のような視線を娘の胸元からしつこく外さない中年の女性の顔が頭から離れない。ほっといてくれよー

それにしても、どうして着物だけは着方にうるさいんだろう。若い時、羽織を着てる途中で電話してたら、若いおばさんに後ろから羽織を着せられた。洋服なら何も言われないのになー。男物を着ても、長袖の下に半袖を着ても、洋服ならファッションになる。

着物も時代とともに変わってきたんだから、自由でいい筈なのに。

なんていいながら、あの人のおはしょりは曲がってるだの、えりが抜けてないだのと、いちいち心の中で指摘している、いやらしいおばさんなのだ。私は。

ほおずきの上で揺れる風鈴達に、笑われている気がした。